読書と心理学とアイマス的思考

「心理学」と「THE IDOLM@STER」。この二つを掛け合わせるとどうなるだろう?

影響力の武器 -返報性の法則編- で アイドルマスター を見る

最初は名著中の名著「影響力の武器」から

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 今、様々なビジネス本が出版されていますが、そのルーツはこの本になるのではないでしょうか?

心理学が好きな方で読んでいない方はいないと思います

ビジネス本が好きだったり心理学に興味あるけどなにから読んだらいいかわかんな~いという方は必読ですね

 

さて、この本では全部で6つの心理法則を「武器」として紹介し、それらから防衛する方法が書いてあります

 

今回はそのうちの1つ

返報性の法則

を用いてアイマスを見てみましょう

 

まず、返報性の法則ってなに?という方へ説明しましょう

返報性の原理(へんぽうせいのげんり)は、人間の持つ心理のひとつ。

人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。(Wikipedia

というものです。

 

誰かから借りを受けたら返さないともやもやしてなんだか気持ち悪いですよね?

それのことです!

 

ヒトが社会を作るのに必要な能力で、これがあるから人間として発展してこれたという人間なら誰にもある心のシステムなのです

 

この返報性の法則にはポイントが3つあって

「借りがある」と感じている間だけ有効

借りを返させない相手のことは嫌いになる

余計なお世話をされても恩を感じてしまう

 

つまり、相手の事が好きか嫌いかはまるで関係なく、恩恵を受けたかどうかだけでこちらの行動が決まってしまうのです

 

では具体例で見てみましょう

・キャラメルの力

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アニメアイドルマスター第6話「先に進むという選択」から

 

この話は「竜宮小町」というユニットに先を越され焦るプロデューサーのお話です

 

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アイドルユニット竜宮小町(左から双海亜美水瀬伊織三浦あずさ

 

6話冒頭でプロデューサーは事務所で遊んでいる765プロメンバーを見て

765プロとは、アイマス世界の架空の事務所の一つ。僕たちプロデューサーは765プロに属している。(命名はナムコから。読み方もナムコプロ)

 

「もうわかっていると思うけど、俺も竜宮小町に負けないくらいにお前たちをプロデュースしたいと思っている!だからみんなも頑張ってくれ!」

 という精神論を放ったのですが(アイマスはプロデューサーの成長劇でもある)

当然

「やみくもに頑張れと言われても困ります」

「頑張りたくても仕事がないじゃん」

「自分なにかやることさえあればプロデューサーの言うとおりにがんばるぞ!」

と言い返されてしまいます

 

人は与えられないと動かないのです

 

そしてがむしゃらに頑張った結果・・・

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取引先に迷惑を掛けたり

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アイドルに合わない仕事をさせたり・・・失敗続きです

 

そして最悪な事態が起こりました

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一人のアイドルに同じ時間に別の仕事を入れてしまうダブルブッキングをしてしまったのです

とりあえず代わりのアイドルを送り、プロデューサー自身もタクシーを拾い現場に行くことになりました

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その道中、落ち着かないプロデューサーがさがさごそごそしてると、ポケットからなにかが落ちました

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それは春香からもらったキャラメルでした

そのキャラメルを見たプロデューサーはふと我に返り反省したのです

自分ひとりで背負い込んではいけない。765プロダクションはみんなで一つなんだ、と

 

ここでキャラメルを見たという行為には2つの意味があります

一つは返報性

春香にもらったこの思いに応えたいという行動力に繋がり

もう一つは相手や自分の行動を見る

キャラメルを通して春香を見たことで相手のことを観なければならないと気付いたのです。つまり自分の状態に気付いたのです

 

2つ目は特に重要で、相手から騙されないためには自分がどうなっているのかを客観的に判断しないといけないのです

そして、自分のことを知るためには相手を見なければならないのです

 

人こそ人の鏡」ということわざがありますが昔の人は経験則で気付いていたのですね

 

 

他にも6話も描写と言えば!

美希の天才性、そしてすれ違い

竜宮小町のライブシーンの作画

伊織のプロ意識

EDに「THE IDOLM@STR(曲タイトル)」を使った理由・・・etc

・・・話が逸れるのでやめましょう

 

第6話はこちらに収録!レンタルビデオ屋とかで見かけたら借りて見てみてね!

アイドルマスター 3(完全生産限定版) [Blu-ray]

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・お節介はやめて!

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覚えていますか?

余計なお世話でも恩を感じてしまう

というルールを

きっと千早はこのルールを知っていたのでしょう

 

アイドルマスター第20話「約束」から

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過去のとある事故を週刊誌にスキャンダルされ、トラウマが再発し歌えなくなってしまった千早

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「歌えなくなった自分に価値は無い。」と言い、引き止める春香やプロデューサーを振り切り帰る

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そして外部との関係を断つように膝を抱え家に引きこもる千早

心配をした春香が千早の家に行き説得するも千早に言われたセリフが「お節介はもうやめて!」です

 

この時の千早はお節介をやめてほしかったのは本心だと思います

しかし理由は迷惑だからでしょうか?

恐らく答えは違います

きっと千早はこれ以上春香(ひいては765プロ)を好きになりたくない、なったら困ってしまうのです

 

自分の過去のトラウマで765プロを困らせたくない

みんなを傷付けてしまい、そして嫌われることになるのなら、だったらいっそ自分だけで抱えてしまおう

自分から関係を切ってしまおう

そうした方が誰も傷付かないで楽だから

 

それが千早が考えていたことです

僕もぼっちになりたがりだから気持ちわかる

 

その証拠として、もうアイドルをやめ関係を切りたかったのであれば千早は春香のインターホンに応えるはずがないのです

連日食べ物を置いて行ってくれて心配をしてくれるにインターホンに出るという形で応えた(返報性の法則)

 

しかし千早自身がなぜインターホンに出てしまったのかわからないので心の内で

「インターホンに出たということはここできっぱり断りたかったんだ」

と自分の行動の整合性を保とうとしたのです

 

で、出たセリフが「お節介はもうやめて!」

千早は自己嫌悪したでしょう

 

ここで春香はプロデューサーに相談します

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「私ってお節介ですか?千早ちゃんに言われちゃって・・・」

「私いつもがんばろうがんばろうって千早ちゃんだけじゃなく他のみんなにも・・・」

「もしかしたらそれは余計なお世話で迷惑だったのかなって・・・」

 

そこでプロデューサーは答えます

「そんなことはない!いつも前向きなのが春香のいいところじゃないか!誰かを励ますのに遠慮なんてしてどうする」←心を褒める励ます

 

「あの時のキャラメル、嬉しかったよ」←行動を褒める

春香の背中を押す一言ですね

「もう一度みんなの仲間としてやり直そうって素直に思えた。春香には感謝してるんだ」

 

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 春香は再び千早宅へ・・・

「もう私のことは放っておいて・・・」

もうお分かりですね?

放ってほしくないのです彼女は

そこで

「ほっとかない!」

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千早(びくっ

「ほっとかないよ!」

千早、玄関(春香のいる方)を向く

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「だって私、また千早ちゃんとお仕事したいもん!ステージに立って一緒に「歌」、歌いたいもん!」

「お節介だってわかってるよ、でも、それでも私、千早ちゃんにアイドル続けてほしい!」

 

春香の行動、大正解です

 

更にダメ押し

765プロ全員から千早へ「歌(約束)」のプレゼント

歌をプレゼントされたら何でお返しすると思います?

そう、歌ですよね

 

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春香たち765プロに支えられ歌えるようになれた千早・・・!

 

 

屈折した見方をしたら

春香は千早にお返しの義務を課し、さらにどんなお返しをするかの内容まで決めてしまったのです

お見事ですね・・・!

 

 

 

しかし注意してほしいのは!

この一件で千早は春香に心を奪われ通称犬千早になりますが、それと同じことは僕らにも簡単に起きてしまうのです

プロが意図的に起こそうと思えば。

詳しくは君の目で確かめてくれ!

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 

 

そして、アイマスではアニメの表現だけではなく現実世界の方でも使っていますよ(むしろこっちの方がメインで、こっちの方がドロドロしてる)

みなさんの中に

質が良いから買う のではなく

声優さんが買って欲しそうだから買う

という経験がある方は結構いるのではないでしょうか?

 

サインなんかもそうですね

一つで良いものをたくさん買うのはなんでですか?

声優さんがサインをくれるからですよね

 

スタドリも同じですよ

モバマスグリマスを始める前に「課金なんてwwww」と言っていた人がいざやってみるとじゃぶじゃぶ課金しているなんて光景は何度も見てきました

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しかし初めにログインボーナスといって強制的に渡されているときに元々なかったはずの

「ドリンクを買う」

という選択肢が作られてしまったのです

 

最初は小さな火種にもならず気にするものでもありませんが、続けるうちに様々な心理の「武器」を使われることによって見事に壁が破られているのです

 

あとはライブとかで「ありがとおおおお!!!!」って叫んでる人いますよね(まあボクのことですが)

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あれもよくよく考えると意味がわかりません

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なにに対してありがとうなのか

あれは結局、声優さんの「ありがとう」に対してこちらも「ありがとう」と返したくなってるだけなんですね

そしてアイマス曲には「ありがとう(Thank you)」や「好き」が多いのだと思います

それを聴いているファンは声優さんやアイマスに対して「ありがとう」や「好き」で返してしまうのです。

 

 

他の武器について知りたければお力になれるかも

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 

 

 

まとめ

返報性のルール

「借りがある」と感じている間だけ有効

借りを返させない相手のことは嫌いになる

余計なお世話をされても恩を感じてしまう

 

アニマスを使った具体例

アニマスにおいて春香は返報性の達人(=センターである理由!?)

見返してみると面白いかも

 

ありがとうにはありがとうで、ドリンクにはドリンクで返す

 

 

 

 

ブログの概要

はじめまして!octopachiと申します!

 

みなさんは好きなものはありますか?

僕はあります。2つあります。

 

そう、ブログのタイトルにもなっている「心理学」と「THE IDOLM@STER(通称アイマス」です!

 

このブログでは僕が学んだ心理学の要素をアイマスの様々な活動で例えて説明してみたり、アイマスを愛する僕やあなたの心理を分析してみたりするブログです

 

アイマスしかわかんないよ!という方へ

アニメで春香はなんでみんなにこだわったの?可奈はなんで太っただけで逃げ出したの?卯月はなんで相談しなかったの?

ライブで盛り上がるのはなんで?

僕たちはなんでアイマスが好きなの?

こういう感情的なものを分析します

新しい観点から見たアイマスをお楽しみください

 

心理学しかわかんないよ!という方へ

心理学を用いて発展したコンテンツの具体例にTHE IDOLM@STERほど相応しいコンテンツはありません

どれほど心理学が強烈な効果をもたらすか、どれほどオタク(ぼく)達が安直か自分たちに素直に行動しているかお楽しみください

面白いほどに操られていますw

 

最後に

心理学のみならず行動経済学やマーケティングや脳科学にまで範囲が広がるかもしれませんが、僕の知識が浅いので(それを深めるためのブログですが)

まあそういう見方もあるのかな

程度でお楽しみいただけたら幸いです!